金融業界の用語で「ジャンプ」という用語をご存知ですか?
ジャンプとは利息を払う代わりに返済期限を先延ばしにしてもらうことをいいます。
「少しお金を返済するだけで期限を延長してくれるなんてありがたい」
そう思われる方もいるでしょう。
ですが闇金からのジャンプの提案には絶対に応じてはいけません。
この記事では、そんなジャンプの危険性や対処法について現役司法書士が詳しく分かりやすく解説していきます。
記事を読んで正しい手段での解決を目指しましょう。
「司法書士に相談したら仕返ししてやる」
と闇金から言われても安心してご相談ください。
私たちが、あなたを闇金から全力で守ります!
目次
1. 闇金におけるジャンプとは?
金融業界では全般的に使用される「ジャンプ」という言葉ですが、実は相手によって微妙に意味が異なります。
消費者金融と闇金とではどのような意味の違いが見られるのでしょうか?
消費者金融でのジャンプ
消費者金融から借り入れをして、返済が困難になったときにジャンプすることができます。
この場合、返済額の一部を支払うことで期限を延期してもらうことをジャンプといいます。
これは、消費者金融が取引を円滑にすすめるために行っていることです。
ただし、このジャンプは誰にでも適用されるわけではありません。
金融業者が、次の返済日には返済されるだろう、と判断したときのみ適用されます。
金融業者としても、無理に相手を追い込んで債務整理や自己破産といった法的手続きを取られては、元も子もありません。
いくら返済してほしいからといって、危ない橋を渡るわけにはいかないのです。
また、消費者金融ではジャンプできる回数が限定されています。
会社によっては、ジャンプ自体できないところも少なくありません。
闇金でのジャンプ
闇金でのジャンプとは「返済日に元金の利息の一部を支払うことで返済日を延長してもらうこと」をいいます。
消費者金融のジャンプが取引を円滑にすすめることを目的としているのに対し、闇金は逆の目的を持っています。
ずばり、闇金はより多くのお金を回収することを目的としてます。
利用者の返済が間に合わなくなると、闇金はジャンプを提案してきます。
ですがジャンプによって支払われるのは利息分だけですから、元金は一向に減ることはありません。
ただでさえ返済が困難な状況の中、全く減っていない元金と利息を含めた金額を返すのは厳しいと言えるでしょう。
ですが、そんな債務者の事情とは裏腹に、利息は常に増え続けます。
やがて債務者は利息を支払うことで精一杯になるのです。
もしこの仕組みに気づかなければ、債務者はいつまでもお金を搾取され続けることになります。
もしジャンプの返済に応じると、債務者は完済することが永遠に不可能となるのです。
2. ジャンプの具体的な危険性
闇金からのジャンプの提案を受け入れることは非常に危ないということはご理解していただけたでしょうか?
ここでは闇金のジャンプの具体的な危険性について解説していきます。
闇金の高すぎる利息
闇金の具体的な利息の利率をご存知でしょうか?
一般的に漫画やドラマなどで耳にする「トイチ」「トサン」「トゴ」とは次のような意味を指します。
・トイチ・・・10日で1割の利息が発生
・トサン・・・10日で3割の利息が発生
・トゴ・・・・10日で5割の利息が発生
もしあなたがトゴ(10日で5割)の利息で10万円借り入れた場合、ジャンプに必要な返済額は以下のようになります。
10日後・・・5万円
20日後・・・10万円
30日後・・・15万円
1年後・・・約180万円
たった1ヶ月で元金以上の金額を支払わなければなりません。
しかも、この額は元金を含まないで計算した場合の金額です。
完済するとなればさらにお金が必要なのは言うまでもないでしょう。
手数料を請求されることも
もしジャンプを利用した場合、後になって更新手数料を請求されることがあります。
後から更新手数料を請求するのは卑怯で理不尽ですが、闇金には一切関係ありません。
もしジャンプでの手数料を支払えないとなると、借用書の書き換えをして、元々の借金を清算した形にして、また最初から返済を要求されます。
つまりあなたが今まで返済してきたお金が無効となり、またゼロから払い直すことになるのです。
「せっかく頑張って返済してきたのに無効になるのはもったいない」
そんな考えから、債務者は迷うこと無く更新手数料を払うことを選びます。
ただ、いずれにしても完済が無謀であることには変わりません。
3. 闇金は違法組織
ここで忘れてはならないのが、闇金は数々の法律を破っている違法賃金業法であるということです。
出資法を違反している
こちらの投稿をご覧ください。
闇金の平均金利は法定金利の約500倍ということをご存知ですか?
ジャンプと呼ばれる返済方法では法定金利の約1000倍もくだらないものです👆
#闇金 #闇金解決 #闇金相談 #借金 #借金問題 #個人融資 #個人間融資— 日本闇金解決センター (@shakinsoudan) May 23, 2020
先程の「トイチ」「トサン」「トゴ」といった比率の利息は、貸し付けの条件を定める出資法に違反しています。
出資法では金銭を貸し付ける際の利息設定について次のように定めています。
・借入金額が10万円未満・・・年利20%
・借入金額が10万円以上100万円未満・・・年利18%
・借入金額が100万円以上・・・年利15%
トゴの場合年利は1800%以上になります。
闇金の利息設定がいかに異常かが分かります。
賃金業法を違反している
日本でお金の貸付を行う賃金業を営む場合、国や都道府県の許可をもらう登録が必要になります。
もしこれを違反した場合、賃金業法違反となり、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金が貸せられます。
ですが、ほとんどの闇金が行政からの許可をもらわずに営業しています。
他にも、賃金業法では取り立て行為の制限についても規定されています。
・夜間の取り立て行為
・利用者以外への取り立て行為
・乱暴な過度の取り立て
・立て看板や張り紙での嫌がらせ
こういった取り立てや迷惑行為は禁止されています。
ですが闇金は回収のためなら手段を選びません。
禁止された取り立て行為も平気で行います。
闇金がなかなか捕まらない理由
全国に法律を違反している闇金は山ほどいるのに、なかなか逮捕されない理由はなぜでしょうか?
従来の闇金は事務所を構えたり、連絡の際には固定電話を使っていました。
そのため、昔は警察にとっては闇金の特定がカンタンでした。
ですが最近の闇金は事務所を構えずにSNSや掲示板をはじめとしたインターネットで活動し、連絡もスマホでやり取りを行います。
これは、警察が捜査を始めても、すぐにスマホを乗り換えて、特定されにくくできるためです。
闇金の警察対策が頑丈になってしまった最近では、警察の捜査が追いつかなくなっているのが現状なのです。
警察に頼らなくても大丈夫なように、自分で対策をとることも大切です。
4. 闇金にジャンプを勧められた時の対処法
闇金には返済しなくていい
「ジャンプしてもしなくても返済できない、、どうしよう」
「闇金に一生返済できないなんて最悪だ」
そんな方に朗報です。
実は闇金から借りたお金は返済する必要がないのです。
日本の民法第708条では「不法原因給付」という原則があり、不法で行われた貸付に対して次のように定めています。
民法708条:「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。」
【参考資料】民法 – eGov法令検索
これは、違法な条件で借り入れしたお金は返済不要、つまり闇金から借りたお金に返済義務は無いということです。
しかし、返済義務がないからといって闇金を放置してはいけません。
相手を逆上させ、取り立てや迷惑行為が更にエスカレートする危険があります。
闇金を怒らせること無く、縁を切るにはどのような方法を取るべきでしょうか?
法律の専門家に相談しよう
まずは、あなたが闇金が違法賃金業者であると知っていることを闇金に示す必要があります。
だからといってむやみに法的な正当性を主張しても聞き入れてくれることはないでしょう。
そこで大切なのが、闇金の違法性を指摘できる法律の専門家の力を借りましょう。
具体的には弁護士や司法書士などが挙げられます。
弁護士や司法書士といった法律の専門家が介入すれば、闇金の取り立てはすぐに止まります。
というのも闇金からすれば、法律の専門家によって違法性を指摘されれば警察に捕まるリスクが高まります。
わざわざリスクを犯して取り立てを続けるよりも、すぐに手を引いて諦めるほうがメリットが大きいのです。
警察や法テラスは?
闇金問題を相談するとなると警察や法テラスを思い浮かべる方もいるかもしれません。
ですが実は、どちらも完全な解決を目指すことはできません。
まず警察は「民事不介入の原則」という規定により、具体的な実害が発生していないと捜査に乗り出すことができません。
そのため、闇金によって具体的な被害が発生していないと、警察に相談しても追い返されるでしょう。
また、もし警察が動いてくれたとしても、一時的な被害は止まるだけで根本的な解決は望めません。
どうしても現状を何とかしてほしいという方以外は警察への相談をオススメできません。
国(法務省)が設置している法律に関する相談所に「法テラス」という機関があります。
闇金問題解決のために法テラスを利用する方も少なくありません。
確かにアドバイスを貰うためには有効な手段かもしれません。
ですが問題解決のために法テラスを利用するのはオススメできません。
というのも、法テラスで相談にのってくれる職員の方は法律の専門家ではありません。
有名な弁護士や司法書士、最近の闇金の事情などを教えてくれることはありますが、闇金の法的な違法性を指摘することはできないのです。
闇金からジャンプを勧められた時は法律の専門家である弁護士や司法書士に相談しましょう。
まとめ
- 闇金からジャンプを勧められても応じてはいけない
- ジャンプは危険やリスクしかない
- 闇金で困ったら法律の専門家に相談しよう
闇金問題は相手が相手なだけに時間が経過するほど解決が困難になります。
被害が小さいうちになるべく早い行動を心がけましょう。
すでにジャンプしてしまったという方でも遅くありません。
なるべく早く、法律の専門家である弁護士や司法書士に相談しましょう。
闇金でお困りの方は、闇金の解決実績が豊富なグリフィン法務事務所にぜひ一度ご相談ください。
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